kumorijunのブログ

生きすぎてしまった人生の帳尻合わせですか

おじんEulerHepjeanの余生の過ごし方その011-特殊相対論-20231111-0900

特殊相対論の出発点は、次の2つの原理です。
特殊相対性原理:物理の基本法則はどの慣性系上の観測者にとっても同じ
光速不変の原理:真空中の光の速さは、相対的な運動によらず、どの観測者にとっても同じ

地面に固定した静止系をОとし、その座標を(ct,x)とします。また、この座標系に対してx軸方向にvで等速運動する剛体棒を考えます。この剛体棒に固定した座標系をО'とし、その座標系を(ct’,x')とします。普通は剛体棒でなく「光速近くまで加速された素粒子」に固定しますのでx軸で話をしますが(ローレンツブースト)、ミンコフスキー空間は時間1次元、空間3次元のベクトル空間(ct,-)です。

         

О系:Eulerが原点に静止している   О’系:Audleyが原点に静止
                     ただしО系のx軸方向に
                     速度vで移動している

 

図は「https://sciencefun.sakura.ne.jp/archives/75962020 特殊相対性理論11(ミンコフスキー図)Copyright 盛本 成勝さん」から借用しました。

 

Audleyの時間軸がEulerの時空の「世界線」になります。
ここで、ローレンツ変換を求めます。まず、光速不変の原理より、О系でもО’系でも±cで伝搬するので、О系での光の位置はx=±ct、О’系ではx’=±ct’と表せます。よって、(x)^2=(ct)^2、かつ(x')^2=(ct')^2 が成り立ちます。


О系において速度vで運動する座標は、О’系では静止していることから、
x'はx-vtに比例します。この比例定数をγとすると(t,x)と(t',x’)との間には次の線形変換がなりたちます。

ここで、(x)^2=(ct)^2、かつ(x')^2=(ct')^2 の関係式を用いて

 

,      

とおいて整理すると、

 

 この変換をローレンツ変換といいます。βは光速を単位として計った速度、γをローレンツ因子といいます。
 

上の図は、軸目盛の間隔の伸縮を示したものです。静止してる1mの棒はvm/sで移動すると   mに縮みます。

1秒の時間経過  で、速度が光速に近付くほど、実験している者から見れば時間はゆっくり進むようになります。(追記:高速で飛ぶ素粒子の寿命が延びます。ということは、量子論でも特殊相対論が成立する、ということです。)


ここまでの話では、運動系はx軸方向に動く棒に固定しましたので座標点は(ct,−x)で話を進めましたが実際のミンコフスキー空間は時間1次元、空間3次元の4次元時空で座標点は(ct,−x)で表示され「世界点」と称されます。これは4元ベクトルを構成し、ローレンツ変換に対する不変量は、(ct)^2-x^2=s^2 です。先に少し出てきた電磁ポテンシャル(A0,)=Aμも4元ベクトルです。また、運動量も4元ベクトルであることが判明しており、(E/c,)で、(E/c)^2-^2=(mc)^2で、静止していれば運動量はゼロで、このとき、E=m0c^2となり4元不変量であるm0は「静止質量」と言われます。


次回はスピノルの話をする予定です。以降、徐々に電子と電磁場の相互作用を取り上げる「量子電気力学」へと話を進める予定ですが、光子、電磁場はベクトル場、電子を記述する物質場は「スピノル場」というもので記述されるようなのです。

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著作者情報・・・というほどではありませんが・・・
芸名 Euler HepJean 元理学修士技術士
現況 75歳。高齢者施設で車椅子暮らし。孫と外食散歩したく自主筋トレ中…
   あァ若いころはSEとてIBMに勤務してました。
メール fukjun13@gmail.com
賽銭箱銀行口座PayPay001-6192244(旧JNBですがそのまま使えます。本店営業部)
(済)