前回の「さんすうもぞもぞ」で「原点辺りをうろついていると私の好きなデルタ関数のお出まし…」のようなことを書きました。
デルタ関数δ(x)とは元々は物理学者のディラックが行列の実数バージョンのヒルベルト空間でクロネッカδの実数版として導入したもので物理との出会いで生まれたものです。数学者だけでは生まれなかったでしょう。
その性質の一つに xδ(x)=0 というのがあります。これを考慮すると、零をも取れる変数xで割るときは Α=Β からΑ/x=Β/xでなくΑ/x=Β/x+cδ(x)となるべきだ、というのです。この一例が
なわけです。
log(x)は多価関数でxが負の側から正の側に向かって0を通り過ぎるとき純虚数の項が不連続に消えるのでその微分には
が付け加えられる…という訳です。最初の「ベキ関数のグラフ」で「虚数はxの負の部分のみに現れる」ことを確認しました。この時に現れる不連続性を表現するのがデルタ関数δ(x)だった訳です。
ここまで突き詰めて私自身は納得しました。幸いなことに余白人生をいただきました。時間は十分にあります。不連続に途絶えることもアリですが…
このレベルまで考え抜けば人から聞かれた時、その人の知識のレベルを考慮した、私なりにごまかしのない受け答えをすることができます。
学生時代に購入した「ディラックの量子力学」がありましたので少し参照しました。肺気腫で倒れて入院し以降高齢者施設に移り住んだとき、多くの書物を失いましたが大事なものだけは別管理していました。
なんと「初恋の人からの手紙」も残ってました。元おカンが気づかないはずがありません。海外出張で密輸入した本は即座に処分されましたので…この点、元おカンに感謝しています。
まだ、数式エディタ使いこなせない。
(済)